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こんにちは!FIREラボのひこすけ助手(@hiko_fire)です。
貯金0円だった25歳(’18)からFIREを目指し始め、29歳(’22)でのFIRE達成を計画してます。
このページでは、
- FIRE達成して特定口座から取り崩すので、できるだけ節税したい。
- NISA口座の枠を越えて投資したので、特定口座ばかりに資金がある。
特定口座の資金をNISA口座に無税で移したい。
というあなたのために、
本来なら税金がかかる特定口座でも、(ほぼ)無税で投資信託を売却する方法
を解説します。
というかこれを一番知りたいのは僕自身なので、国税庁のHPとかは穴が開くほど見ました。
ひこすけ助手
YouTubeでも解説しています。
この記事のねらい
ズバリこの記事では、
- 独身
- 収入は資産からの取り崩しのみ
- 年100万以下のような質素な暮らし(LeanFIRE)
という、最もプレーンなFIREスタイルの人が、
本来なら税金がかかる特定口座でも、(ほぼ)無税で投資信託を売却する方法
を検証するのがねらいです。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
***
そしてなぜこのスタイルをテーマにするかといえば、
FIREの民が目指す最もプレーンなのが
『資産からの取り崩しのみで生活するスタイル』
だから。
特に独身で質素な暮らしを目指すなら、年間の取り崩し額が100万以下というケースもあるでしょう。
ひこすけ助手
もちろんこの他に、バイトや、ブログ収入がある場合も考えられます。
でもまずは、純粋に資産収入のみの場合から考えていきましょう。
ステップ1|税から身を守る4つの壁を確認する
特定口座(源泉徴収あり)で売却しても、(ほぼ)無税で切り抜ける方法があります。
キーワードは、
『税から身を守る4つの壁』
そう、税金は我々を無差別に喰らってくる憎き巨人。
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
さあ、税から身を守るため、ぬくぬくと壁内で暮らす憲兵団を目指して勉強していきますよ!
***
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
税から身を守る4つの壁
- 壁1『住民税の壁』
- 壁2『所得税の壁』
- 壁3『健康保険の壁』
- 壁4『国民年金の壁』
図.税から身を守る4つの壁
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風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
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壁1『住民税の壁』
非課税となる条件
- 所得:38・41.5・45万円のいずれか以下
- 申請:確定申告
売却益を38・41.5・45万円のいずれか以下に抑えれば住民税はゼロ円ということ。
※住民税における所得とは?
収入から必要経費を除いたもの。いわゆる『総所得金額等』。
投信を売却した場合は、基本的に売却益そのもの。
住民税の基礎控除は含まずに、このラインを死守。
その他の収入は無いものとする。
ざっくり解説
住民税を完全に無税にするポイントは、
均等割がかからないラインを狙うこと
住民税は『誰でも均等に負担する均等割』・『所得に応じて負担する所得割』で構成されています。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
- 均等割の非課税限度額は本当に38・41.5・45万円のいずれか以下でOKなの?のエビデンス
p7を参照。ただし資料が古いので、現在は各値にプラス10万されている。
市町村税関係資料-自治税務局市町村税課-総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000405155.pdf - 参考:生活保護の級地制度
生活保護制度における地域差等について-厚生労働省社会・援護局保護課-厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001h27t-att/2r9852000001h2a6.pdf - 均等割がかからない所得の一例。杵築市は田舎なので最低ランクの38万円。
市民税・県民税納税義務者/杵築市
https://www.city.kitsuki.lg.jp/soshiki/1/zeimu/shimin/686.html
壁2『国民健康保険の壁』
(ほぼ)非課税となる条件
- 所得:43万円以下
- 申請:確定申告
売却益を43万円以下に抑えれば健保は7割免除になるということ。大体年間2万円くらいになる。
※健保は最大が7割減免なので、このラインを狙うこととします。
※国民健康保険における所得とは?
収入から必要経費を除いたもの。いわゆる『総所得金額等』。
投信を売却した場合は、基本的に売却益そのもの。
所得税や住民税などの基礎控除は含まずに、このラインを死守。
その他の収入は無いものとする。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
あくまで減免となるラインがあると考えた方がよいのじゃ。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
- 国民健康保険の減免基準
令和2年度税制改正の概要(厚生労働省関係)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000579030.pdf
壁3『所得税の壁』
非課税となる条件
- 所得:48万円以下
- 申請:確定申告
売却益を48万円以下に抑えれば所得税はゼロ円ということ。
※所得税における所得とは?
収入から必要経費を除いたもの。いわゆる『総所得金額等』。
投信を売却した場合は、基本的に売却益そのもの。
所得税の基礎控除を含まずに48万円以下を死守。
その他の収入は無いものとする。
ざっくり解説
所得税を完全に無税にするポイントはシンプル。
投信の売却益を48万円以下に抑えればおk。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
投信を売却すると、その中身は元本+利益となっておる。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
壁4『国民年金の壁』
非課税となる条件
- 所得:57万円以下
- 申請:確定申告&免除申請が必要
売却益を57万円以下に抑えれば年金は全額免除でゼロ円ということ。
※国民年金における所得とは?
収入から必要経費を除いたもの。いわゆる『総所得金額等』。
投信を売却した場合は、基本的に売却益そのもの。
所得税や住民税などの基礎控除は含まずに、このラインを死守。
その他の収入は無いものとする。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
- 57万円の根拠
2.保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準)の項を参照。
国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
ステップ2|売却額を決め、投信を売却する
ここで想定している売却する目的は、大きく2種類。
- 1.生活費のため
- 2.特定口座からNISA口座への移行
ひこすけ助手
順番に解説します。
1.生活費のため
生活費のためなら、いくら必要かは大体決まっているはず。
基本はその額を売却すれば良いのですが、実際は調整する場合もあるでしょう。
ここでは他に収入が無いと仮定し、無税で売却できるラインを検証してみましょう。
シミュレーション条件の説明
シミュレーション条件
- 年間生活費:72万円
- 資産以外の収入:無し
- 住民税の壁:38万円(最低ライン)
- 投資信託の評価損益:100%
年間生活費:72万円
月にすると6万。無理なラインではないですね。
私は杵築市家賃で計算してるので、更に下の年間60万です。
資産以外の収入:無し
ここでは簡略化のために給与やブログといった収入が無いとします。
住民税の壁:38万円(最低ライン)
解説したとおり、住民税の壁は3パターンあります。
ここでは最も厳しい38万円とします。
投資信託の評価損益:100%
売却益は、その投資信託がどのくらい利益を生んでいるかによって大きく変わります。
ここでは評価損益が100%という、嬉しいけど税金的には厳しい条件とします。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
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風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
72 / 利回り = 2倍になるのにかかる年数
72 / 6[%] = 12[年]
※米国株の平均リターンを6%と仮定
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
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2.特定口座からNISA口座への移行
もうひとつの需要は、
まだNISAの非課税期間がたくさんある。
でも年間の上限があるので、特定口座ばかりに資金が偏ってる。
という若者が、NISA口座に移して運用したい場合でしょう。
ひこすけ助手
具体的な手順としては、
- 一般NISA・つみたてNISAどちらにするか決める
- 無税のラインで120万or40万売却できるか計算
- 特定口座で売却
- NISA口座で購入
とすればOK。
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
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ステップ3|確定申告&年金免除申請する
確定申告する
最も重要なのが、確定申告をすること。
これで源泉徴収で一度引かれていた税金が返ってきます。
風空(ふぁそら)所長
年金免除申請する
国民年金だけは、免除申請が必要です。
所得はすでに確定申告で情報が伝わるので、申請書を書いて役所に提出しましょう。
ひこすけ助手
詳しくは日本年金機構のHPを参照。
- 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html - 国民年金関係届書・申請書一覧|日本年金機構
ケース3:国民年金保険料の免除を受けたいとき
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kokunen/kokunen.html
気になる点のQ&A
譲渡所得は分離課税だから控除されないんじゃないの?
されると認識しています
確かに投資信託や株式を売却すると譲渡所得になり、通常は総合課税とは別の分離課税の扱いになります。
そうすると基礎控除をはじめとした所得控除は通常適用されません。
しかし、総合課税で控除しきれない額は分離課税される所得からも控除されると国税庁HPに明記されています。
総所得金額等から控除しきれない雑損控除、医療費控除、配偶者控除、基礎控除などの所得控 除の金額がある場合には、その控除しきれない金額を一般株式等に係る譲渡所得等の金額及び上 場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除します。
引用:【参考1】令和2年分 株式等の譲渡所得等のあらまし, https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2020/pdf/Q/Q15.pdf, (参照:2021-09-07)
まとめ
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
想定するケース
- 独身
- 収入は資産からの取り崩しのみ
- 生活費100万/年以下のような質素な暮らし(LeanFIRE)
という、最もプレーンなFIREスタイルの人が、
本来なら税金がかかる特定口座でも、(ほぼ)無税で投資信託を売却する方法は?
その方法は3ステップ。
ステップ1|税から身を守る4つの壁を確認する
- 住民税:38・41.5・45万円
- 所得税:48万円
- 国民健康保険:43万円
- 国民年金:57万円
の4つの壁があり、一番低い金額にあわせれば、(ほぼ)完全に無税となる!
ステップ2|売却額を決め、投信を売却する
1.生活費のため
売却する投資信託の売却益を確認。
無税ラインと照らし合わせて調整する。
2.特定口座からNISA口座への移行
売却する投資信託の売却益を確認。
売却額はNISAにあわせて120or40万以下で、無税になるよう売却額を調整する。
ステップ3|確定申告&年金免除申請する
あとは確定申告すればOK。
ただし年金だけは免除申請が必要。
***
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
ひこすけ助手
風空(ふぁそら)所長
こういった総合的な判断をするには、まずはFP3級の勉強をするのがおすすめです。
お金関係の知識を広く浅く勉強できるので、さらに踏み込むための取っ掛かりになるんですよね。
テキストはこれがカラフルで読みやすいです。
情報の正確性には万全を期しておりますが、最終的にはご自身の判断でお願いします。
誤りがある場合はご指摘いただけますと幸いです。
以上、FIRE目指して研究中のひこすけ(@hiko_fire)でした!
Have a nice FIRE!
国税庁HPです。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_5.htm
配当や分配金は総合課税を選べることが明記されているのですが、
売却益(株式譲渡益)は申告分離課税しか書いてありません。
売却益(株式譲渡益)でも総合課税を選べればいいなと自分も調べてみたのですが、
はっきり総合課税を選べるという根拠が見つかりませんでした。
もし根拠がありましたら、明示いただけると助かります。
ご指摘ありがとうございます。
確かに投資信託や株式を売却すると譲渡所得になり、通常は総合課税とは別の分離課税の扱いになります。
そうすると基礎控除をはじめとした所得控除は通常適用されません。
しかし結論を言うと、
総合課税で控除しきれない額は分離課税される所得からも控除されます
-ここから引用-
総所得金額等から控除しきれない雑損控除、医療費控除、配偶者控除、基礎控除などの所得控 除の金額がある場合には、その控除しきれない金額を一般株式等に係る譲渡所得等の金額及び上 場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除します。
-ここまで引用-
引用:【参考1】令和2年分 株式等の譲渡所得等のあらまし, https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2020/pdf/Q/Q15.pdf, (参照:2021-09-07)
とても勉強になる資料ありがとうございます。
私もそろそろファイアを考えております真剣に税制を勉強しております。
一点勉強不足で教えていただきたのですが、
売買による譲渡益の場合は、申告分離課税となり規定内の利益であっても住民税非課税とならず必ず5%課税となると思うのですが認識あっていますでしょうか?
配当所得の場合は、総合課税にして規定の利益におさめれば、住民税にたいして通常の税率計算が適用されて還付になると考えていますが、、
お時間あるときに御教示くださいませ。
また4コマ漫画も楽しみにまってとります
>くさまる さん
結論から言うと「所得が少なければ0%になる」「本記事の各所得の壁を超えると申告分離課税の5%となる」だと思います。
(質問の意図を汲めてなかったらスミマセン)
理由は、
『気になる点のQ&A』の『譲渡所得は分離課税だから控除されないんじゃないの?』の項に書いてある通りですね。
配当所得は仰るとおりですが、令和4年の税制改正大綱により「税率を一致させる」=我々にとって不利になるように修正される予定です……。
参考↓
https://ampersand-tax.jp/%E8%B6%85%E9%80%9F%E5%A0%B1%EF%BC%81%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%94%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%A8%8E%E5%88%B6%E6%94%B9%E6%AD%A3%E5%A4%A7%E7%B6%B1%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3%E8%AA%AC%EF%BC%81/
4コマ見ていただき嬉しいです!
また描きます!!
早速のご返信ありがとうございます。
勉強になりました。
陰ながらひこすけさんのfire生活の発信楽しみにしています
ありがとうございます。
この貴重なダイヤモンド情報って、知らない人が日本の99%ですよね。。。
(そもそも投資してない人が8割か、、、、)
高市総理になって分離課税30%になっても、
このあたりの最底辺控除は手を加えない(加えられない)でしょうから
リーンFIREは余裕でOKですね!
>Firefoxさん
かなりマニアック情報ですが、質素なFIRE民には有効ですよね。
政治家さんの想定より遥かに貧相な暮らしなので、税率Upも怖くないです!笑